著書『石けんだけで肌はきれいになる』では
キッチンソープを除いて
全てのレシピに「ココアバター」
または一部で「シアバター」を使っています。
真夏でも固いままの「ココアバター」は
電子レンジで溶かしてしまうのが
一番簡単で時短になるため(↑写真の手順2)
著書では電子レンジを使ったやり方を
紹介しています。
また飽和脂肪酸が豊富で
熱で傷みにくいオイルについても
やはり電子レンジでの温度調整を
紹介しています。(↑写真の手順5)
(飽和脂肪酸が豊富なオイル:ココナッツオイル、パームオイル、パーム核オイル、ココアバターなど)
おそらく、手作り石けんの工程で
「温度調整」の必要がある箇所は
「湯煎」で行われることが
これまで多かったと思います。
そして「ココアバター」の出番も
あまりなかったのではないでしょうか。
そのため、
従来の湯煎のやり方に慣れている方や
電子レンジをお持ちではない方は、
「ココアバターを溶かす工程が
湯煎で作るとなるとネックかも、、」
…と思われたかもしれません。
でも、大丈夫です。
「ココアバター」も湯煎でちゃんと溶けます。
そして、全ての工程もそこまで時間がかかりません。
それでは説明します。
【湯煎でオイルを準備する手順】
1
まず、お鍋か深さのあるフライパンに水を入れ
火にかけて水を温めていきます。(湯煎の準備)
↓
2
飽和脂肪酸系の固まりやすいオイルを計量しボウルに入れ、
ボウルの底が[1]で温まった水に浸かるように入れます。
完全に溶けてからも少し温度が上がるまで温めます。
(これは著書内「塩の石けん」のパーム核油を湯煎にかけています。)
↓
3
完全にオイルが溶けて50℃〜60℃くらいになったら
計量した「ココアバター」をボウルに投入します。
(「ココアバター」の融点は35℃前後ですが、写真のような
塊の場合は50℃以上まで温度が上がると溶けやすいです。)
↓
4
そのままオイル全体の温度をキープしながら
「ココアバター」が完全に溶けるのを待ちます。
(「ココアバター」の使用量が一番多い「塩の石けん」。
その分量で約10分以内で完全に溶けました。
「シアバター」はもっと早く溶けます。)
↓
「ココアバター」が完全に溶けたらボウルを揚げて
タオルや布巾の上に置きます。
↓
残りのオイルをボウルに加えていきます。
オリーブオイル、ひまし油、米油、、などですね。
この時点で湯煎したオイルが60℃くらいであれば、
残りのオイルを加えていくことで
最終的に35℃〜40℃くらいに落ち着きます。
温度が足りなければ、再度湯煎で調節します。
(比較的熱に弱い繊細なオイルや高級オイルは
温度も落ち着いた頃の一番最後に入れると尚良しです。
例えば「塩の石けん」なら私は「スイートアーモンドオイル」を最後に入れます。)
以上です。
あとは全く同じ作業になります。
苛性ソーダ水の温度も整ったら
オイルとあわせて攪拌していき、型入れです。
湯煎で作業をする場合、
使用する道具が少し増えるのと
時間でしたらオイルの準備に10~15分
プラスでかかるかな、という感じです。
「ココアバター」は確かに
扱いにくい印象があるかもしれませんが
湯煎で溶かすにしても、
そこまで問題にはなりません。
良質なバーム作りにも使われる
力強い保湿の味方です。
なので、電子レンジを使わない方も
私のワークショップや本のレシピを
ご家庭でも是非お試しください。
井出順子
★著書『石けんだけで肌はきれいになる』
コールドプロセス製法の手作り石けんの実用書。
最新決定版 (KKベストセラーズ刊)
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